【旧暦カレンダー】月齢と旧暦の関係・満月の日は出産が多い理由は？

◆月齢とは

そもそも月齢とは、月の満ち欠けの度合いを表すために使われる数字です。

新月の状態を0とし、1日の経過ごとに「月齢1、月齢2…」とカウントしていきます。また、月齢を日にちではなく時間で区切る際には、「月齢1.2」「月齢2.5」などと小数点を使用するのが一般的です。

月齢は0から始まって14～15あたりで満月になり、29.5あたりまで行くと新月になってまた0に戻ります。ちょうど、1日の終わりである24時を迎えると同時に次の日の0時に移り変わるのと、イメージが似ているかもしれません。

ただし、上記の数字はおおよそのものであり、毎回の満ち欠けにかかる時間は少しずつ異なっています。

月の満ち欠けをおおよその月齢で表すと、以下のとおりです。

• 新月：0
• 上弦の月：およそ7～8
• 満月：およそ14～15
• 下弦の月：およそ22～23

上記の月齢で変化し、およそ29.5日で満ち欠けが1周するのです。

◆月齢と旧暦の関係

現在の新暦になる前に利用されていた旧暦では、月の周期をベースとして1カ月の長さを決めていました。月齢0の日が1日であり、その後月齢に1を足した数字がちょうど日付となるイメージです（月齢20ならだいたい21日）。

そして、旧暦では30日の月（大の月）と29日（小の月）の2種類を設け、1年365日を区切っていました。

しかし月齢はおよそ29.5日であり、12カ月分でも約354日にしかなりません。そのため、1年に約11日発生してしまう季節と月日のズレを、約3年に一回「閏月（うるうづき）」を挿入することで調整していたのです。

ズレを修正するためには、季節に関して基準を設けなくてはなりません。そこで用いられたのが、365日を24の区分で分ける「二十四節気」です。二十四節気は、太陽の周りを地球が公転する1周の期間を24に分け、季節の移ろいに符号させます。

つまり、旧暦は月齢の考え方をベースにしつつ、太陽の運行状況も取り入れることで季節の移ろいにより合った暦となったのです。

◆満月や大潮の日に出産が多いと考えられている理由

満月や大潮の日に出産が多いとされている理由としては、以下のようなものが考えられます。

• 出産にかかわる方の印象
• 女性の身体の変化と月の変化が似ている
• 身体の水分の成分

まず考えられるのが、出産にかかわる医師や助産師など現場の方の印象です。出産は、女性個人においては一生にそう何度もない大きなイベントですが、現場で働いている方は、日々非常に多くの出産に立ち会っています。その出産にかかわる現場で働く方の中には、実際に満月の日に出産が増えると感じている方もいるようです。

次に、女性の身体の変化と月の変化に共通点が多いことも、理由に挙げられます。女性の月経はおよそ28～32日を周期としており、月の周期の29.5日と似ています。また、満月の日には引力によって女性の身体がむくみやすい、水分や栄養を吸収しやすいなどとも言われているのです。

さらに、身体の水分の成分は海水に近いと言われています。海水は月の満ち欠けによって干満を繰り返すとされているため、人体にも影響をすると考えられるのです。

◆実は関係ない？

長きにわたって満月の日には出産が多いと考えられてきましたが、以下の理由から現代では直接的な関係がないとも見られています。

• 自然分娩だけではなくなった
• 関係性を示すはっきりとした統計結果が乏しい

ただし、「満月の日に出産が多い」と感じている方もいるのが実情であり、関係している可能性も十分に考えられます。