きゃりあ・ぷれす

りーだーず・ぷれす
「自分で何かをやりたい」「発信したい」と考える
『きゃりあ・ぷれす』読者による連載コラムです。
各担当者がそれぞれのテーマをに沿って、
思いを綴りながら、自らを成長させていく過程は、
共通の悩み・興味を持つ読者の皆さんにとっても、
共感を持ってお読みいただけると思います。
ご意見やご感想、質問などもお待ちしています。
ハナコさん
「三度目の人生設計」〜田舎で働く!土と暮らす!〜
第10回
「半農半デ生活の真っ最中!」
だけど・・・
・・・結局、生産者が自ら納得のいく価格設定ができる仕組みを作りあげること。これが、達成感と誇りを持って取り組める農家のあるべき姿だ。我々農家は「日本の食料と国土保全」という国家プロジェクトを担っているのだぁ・・・なぁ〜んて、半農半デの生活が始まって数ヶ月。毎日こういうことを痛感して、夜になるとバタンキューと眠りに落ちる日々。お天道さんと共に暮らす、まさに生命のあるべき姿じゃないかと妙に感心しながら・・・。
世の中「農業、農業、農業」。これからは農業だともてはやされ宣伝するが、ちょっと待てよ!と思う。私もネットカフェ難民や派遣切りで生活不安を抱いている人たちは、田舎で農業をすればいいじゃないか、高齢化や後継者不足で苦労している田舎の農家も喜ぶし、贅沢さえしなければ年収2〜300万円である程度の生活ができるじゃないか、と思っていたのだが。考えなおさなくちゃいけないようだと最近は思い始めている。
しかし、もてはやされる農業だが、その環境は以前厳しい。いや、一段と厳しさを増している。今年は年頭から天候不順が続き、農作物も打撃的。ニュースで取り上げているが、「低温、日照不足で農作物が不足し高値になっている。私たちの食卓が大打撃です。」と言っている。ちょっと待ってよ!!「私たちの食卓」よりも前に、考えなくちゃいけないことがあるじゃないか?大打撃を受けているのは、日本の農家であるし日本の農業なのだ。そこんところを考えてほしいと思う。自然と共存しながら活きてきた農家は、そんな天候不順に負けないように寝る間も惜しみ努力している。食卓でニュースを聞いている都会の人にも、ここんところをよくよく考えて欲しいと思う。日本の農業を救うのも、見放すのも消費者が1つの鍵を持っているのだってこと。そして、メディアはお茶の間の消費者に媚びないで、日本の未来をにらんだ視点を持って欲しいさ!!
日本の食料自給率は約40%。これを何とかしなければ…と躍起になっているけれど、単純に考えてみると自給率を上げるには、国内産の食料消費量を増やせばいいのだけの話じゃないか。
それに加えて「水問題」。世界最大の食料輸入国である日本は、牛肉や大豆などを輸入しているが、これを生産するためにどれほどの水を使っているのか?いずれ、水不足が顕著になり、輸送燃料とを併せても驚くほど高価な食料を消費しているということに気付く。国内産のものは高い、高いと言うけれど、全体を良く見て比較してみれば、国内産の方が安価で安全、安心なのだということや「食糧の危機は日本の危機」なのだ」などを食卓を囲みながら話題にしてほしいと思う。そして、目に見える価格よりも、もっとたくさんの税金が投入されているということなど。
メディアもいまや半径5メートルとは言わないまでも、テレビ局周辺の200人程度のアンケートで「世論」を創りあげてしまうからまいった!話題作りがブログ的になってきているから、サークルや井戸端会議の感覚でしかない。公共の電波を「私的な内輪の話題」で浪費しないでくれよ!と今日もぼやかずにはいられない。「消費社会」が大前提の拝金主義で、あまりにもお粗末過ぎる!!
今日も地方紙の特集記事を読み気持ちが曇る。
(以下抜粋引用。)
男性はブドウを55アール、ラッキョウを25アールで栽培しているが、販売額は年間300万円に満たないという。必要経費を差し引けば、手元に残るのは150万円ほど。農閑期になる9月から1月はアルバイトで生活費をつないでいる。
祖父の代から3代、約100年続くブドウ畑を、会社員の息子が継ぐかは決まっていない。「昔からの土地を投げるわけにはいかないが、収入がない以上、"投げてしまう"可能性は大きい」と話す。

(引用ここまで。)

息子に胸を張って「後を継げ」とは言えないという。これが全国どこにもある農家の現実。その気持ち、よ〜く分かる。そんな中で、自分の前に道はなくても1歩1歩前を向いて進む。その気持ちだけは持ち続けるさ。と自分を奮い立たせている。
さて、近所に住む兼業主婦のAさんがぽつりと言う。
「お母さんが野菜をたくさん作るんだわ。親戚、近所におすそ分けしても余って余って・・・。これってもったいないなぁ〜っていつも思いながら、結局腐らせて捨ててしまうんだわ〜。家の前に100円市でも作って置いておこうかしらん」・・・こういうことは結構あることなんですが、これまでは捨てられてしまっていた野菜たち。注目度が高まってきているのです。