きゃりあ・ぷれす

天職を探せ
『きゃりあ・ぷれす』編集部員が見てきたこと、
感じていること、皆さんにお伝えしたいことなどなど、
様々な編集部員のそれぞれの個性の視点から
世の中のことをお届けいたします。

 

vol.9
「まるののん記」
私だけの青い芝生を追いかけて
はじめまして。6月から編集部に仲間入りしました、まるやままさこと申します。制作物やweb媒体などの企画や編集、執筆などを担当します。
実は、私は働くのは約2年ぶり。妊娠、出産を機に前職を退職し、つい先日まではどっぷり専業主婦暮らしでした。結婚前は雑誌編集者をしており、昼夜曜日お構いなしの激務の日々。朝から晩まで息つく暇もなく働き、数少ない休日は泥のように眠る……。 やりがいはあり充実していましたが、虚しさを感じることもありました。
生まれたばかりの友人の赤ちゃん、ハネムーン先の広い空と青い海……。ブログやメールで知る友人たちの充実したプライベートは眩暈がするほどのまぶしさでした。
隣の芝生は青すぎました。
「何のために働いているの?」迷いが生じたことは何度もありました。
それから数年、身体を壊し前職を退職し、働き蜂だった私が母となり家庭に入りました。仕事人間だった頃とはうってかわり、生活の中心は娘になり、電車に乗ることさえもほとんどなくなりました。赤ちゃんとの暮らしは新しい発見の連続で飽きることはありませんでしたが、気付けばまた隣の芝生をみていました。

当時の同僚が出世したり、大きなプロジェクトに関わっていることを知り、正直手放しには喜べませんでした。平凡ながら喜びに溢れた毎日を送っているけれど、それでもとても悔しかったし羨ましかった。
両方を同時に手に入れることはできないとわかっていても、またもやモヤモヤとした気分が浮き上がってきます。なんとも恐ろしい人間の欲深さです。

仕事と離れたことで人間関係も変わり、専業主婦のお仲間もできましたが、育児休暇中の方は半数以下で、再就職をしようとしている人はほとんどいませんでした。
皆さん、「もう一生働くつもりはない」、「子供が小さいうちは家庭にいるつもりだし、復帰しようとして働き口がなければそれまで」と考えているようで、私のように「ブランクが長くなれば再就職は厳しい!早く働かねば!」と焦っている人はいませんでした。

子供を預けてまで働くことは“悪”なのか?
自己実現のために子供を犠牲にしてもいいのか?

モヤモヤとした疑問の先に、私は自分の本質を見つけました。

夫や子供は大事だし私の人生の一部だけれど、彼らは私自身ではない。私の満足感や幸福感は、家族が作るものではなく、自分自身で作らなければならない。
人それぞれ向き不向きがありますし、価値観も違いますから一概には言えませんが、私は仕事で自己実現したい人間だし、そこに喜びを覚える。だからこそ、私は子供がいても働きたい。

それは、環境が変わったことで再認識できた、「自分らしさ」のように思います。
縁あってパンゲアに入社することとなり、働き始めて3週間。家事、育児、仕事を両立すべく、怒涛の日々を送っています。

今だって、やっぱり隣の芝生は青いもの。
ベビーカーを押してのんびり散歩するお母さんや、時間を気にせず残業できる友人を見て、モヤモヤすることはあります。

家事、育児、仕事。
ひとつひとつは満点じゃなくても、みっつ足して100点になれば、きっと私の芝生も少しは青くなってくれる…!!

そんなことを考えていたらお迎え時間ギリギリ…、今日も駅から保育園までダッシュで頑張ります!