自分の身体に目を向けること、「身の程」を知ることから
これからの方向性が見えてくる
私たち人間の「身の程」は、豊かな自然なくしては、物理的にも精神的にも生きられない小さくて貧弱な生き物であることです。私たち都会人の「身の程」は、自分では生きるための基本である食物すらまかなえない、「むら」にとっては徒食の輩ということです。この「身の程」を、私たちはまずわかっていることが重要だと思います。

私たちは、食事をするとき「いただきます」と言います。それはこの食物を与えてくれた自然に対して、そして自然の営みと折り合って作物をつくり、漁をしてくれた「むら」の人々に対して向けられた感謝の言葉です。私たちはもともとそういう智恵をもっています。エコロジーもボランティア精神も、外から来たものを真似る必要はないのです。私たちの地域では、ほんの100年前まではごく当たり前だったことなのですから。そして、いまでも私たちの日々の言葉や習慣のなかに息づいている精神なのですから。