世界初!100%バイオディーゼルのレンタカー
どこに移動するにも車が欠かせないロサンゼルス。ロサンゼルス国際空港の周りには、大小さまざまなレンタカー会社のオフィスがひしめく。この一角に、植物油原料のバイオディーゼルで走る自動車だけを貸し出すレンタカーオフィスが最近登場し、ちょっとした話題を集めている。
ここは、バイオディーゼル車専門のレンタカー会社「バイオビートル・エコレンタルカーズ」(本社 米ハワイ州マウイ島)が、マウイ島に次ぐ2店目としてオープンさせたもの。普通のディーゼルにバイオディーゼルを混ぜた燃料を使った車を貸し出す大手レンタカー会社も出てきているが、バイオディーゼル100%(B-100)の油を用いた車だけを扱うレンタカー会社となると、今のところ世界でも同社だけだ。
バイオ・ビートルのレンタカー
バイオディーゼルは、廃食油や菜種、大豆などから抽出した油分を精製してできる燃料。地球温暖化をもたらす二酸化炭素(CO2)や大気汚染の原因である有害物質の硫黄酸化物(SOx)の排出がゼロという”クリーンな”燃料として、欧米では本格的な導入が進みつつある。昨年の米国でのバイオディーゼルの生産量は前の年の3倍に達したというから、いかにエココンシャスなドライバーたちの関心が高まっているかが分かる。
同社のLAオフィスで現在扱っているのは、フォルクスワーゲンのビートルを含む計4台。私がオフィスを訪れた日は全車が貸し出されている状態で、マウイ島の本社に対してレンタカーの台数を増やしてもらうよう要請しているのだという。
気になるレンタル価格は、1日当たり49.99ドル、1週間で199ドルというタイプから(保険料は除く)。1カ月のレンタルなら、5%割引してくれる。隣にあったガソリン車のレンタカーオフィスでの価格は約半分だったので、決して安くはない。ただ、ディーゼル車のほうがガソリン車よりも燃費が良いので、燃料代を考えればバイオディーゼル車のレンタルがそれほど高いとも言えない。
もう一つ気になることと言えば、バイオディーゼルの給油場所。しかしこれも、オフィスで給油してLAエリアを3、4日間回るぐらいであれば、途中で給油する必要はないとのことで、心配はなさそうだ。ちなみに、LAエリアにあるバイオディーゼル給油所は、現時点では協同組合方式による2カ所のみ。給油所のインフラ整備は、全米のどの地域にとっても課題である。
これまでの利用者は、観光や出張でLAを訪れた人たちから、バイオディーゼルについて研究している学生、さらに自分の車を修理中に借りに来た地元住民まで実にさまざま。LAオフィス所長のジョー・ブラックバーンさんも「みんなとても喜んでくれているよ」と胸を張る。
次回のロスへの旅行や出張の時には、バイオビートルでのエコドライブを試してみてはいかが。(2006年10月掲載)
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