本当のLOHASを当たり前にするために
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LOHAS(ロハス)が当たり前になるために
木村麻紀
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地球環境と人間の健康に配慮したライフスタイルを指すLOHAS
(Lifestyles of Health and Sustainability、ロハス)。2002年11月発行の122号でロハスのことをご紹介しましたので、当時からお読みいただいている「きゃりあ・ぷれす」読者の皆さんにはもうすっかりおなじみかと思います。今や、日本人の45%がロハスを知っている(電通消費者研究センター調べ)とのことですが、日本ではオーガニック素材の料理を食べてヨガをすればロハス!と単なるファッションのように捉えられている節があるようです。しかし、ロハスとはファッションなどではなく、世界で広がり続けるトレンド(潮流)なのです。
環境への負担を少なくする様々な技術を取り入れたグリーン建築、現代医薬に頼らずに人間の治癒力を最大限に生かす代替医療、環境対策や従業員の福利厚生、社会貢献に積極的な企業の株式に投資する社会的責任投資(SRI)−。これらは日本ではまだまだ一握りの熱心な人々の間でしか知られていないのが現状です。しかし世界に目を転じれば、望めば楽に手に入る普通の選択肢として市民権を得つつあるのです。ロハスを体現したこのような社会現象は、衣食住から健康、娯楽、金融、教育、仕事や生き方といった私たちの生活のあらゆる場面でじわじわと広がっています。
そんな世界の潮流の最新動向を詳しくご紹介した「ロハス・ワールドリポート−人と地球を大切にする生き方−」(木楽舎)をこのたび上梓しました。
本書の目次は以下の通りです。
序章 人と地球を幸せにするキーワード「LOHAS」とは?
第1章 フード&ファッション
衣食からLOHASを知る
第2章 リビング&モビリティ
人と地球にやさしい住まいと交通
第3章 ヘルス
自然の力を引き出すメディスン&エクササイズ
第4章 レジャー&エンタテインメント
楽しみながら地球を癒す
第5章 マネー
人と地球を大切にするビジネスを応援
第6章 ラーニング
LOHASな人を育てる教育とは
第7章 ワーク&ライフ
LOHASを仕事にして生きる
この本をお読みいただくと、地球環境や人間の健康、社会のサステナビリティ(持続可能性)に配慮したビジネスや日常生活が、一部の世界では”普通のこと”になりつつある様子を感じとっていただけると思います。皆さんもぜひ、ロハスが当たり前となる世の中にするために、この本をヒントに仕事や生活の場面でアクションを起こしてみてください。
今回は日ごろのご愛読に感謝して、「きゃりあ・ぷれす」の読者3名の方々に本書をプレゼントさせていただきます(詳細はメルマガの最後をお読み下さい)!読後のご感想なども、お気軽に編集部にお寄せください。お待ちしています。
著書の出版を機に、公式サイト「Poco a Poco オルタナティブワールドへようこそ!」を「きゃりあ・ぷれす」編集部のご協力で全面リニューアルしました。こちらもぜひご覧下さい!
(木村麻紀)
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本当のLOHASがわかる出色のリポート
宮崎郁子
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これまで断片的に、あるいはややイメージ的に伝わってきたLOHASというものについて、主に欧米でのしっかりした取材を基に書き下ろした労作です。
渡欧前には本誌の編集にもご協力いただいていた木村さんから、初めてLOHASについて聞いたのは2002年のことだったと思います。木村さんが「あとがき」で「(本書の中にも出てくる)『生活創造者チェックリスト』を見た時には、『これって私が思ってたことそのもの』と驚いたものでした」と書かれていますが、私もまさに同じ思いでした。
それから4年、木村さんはドイツ、アメリカに居を移し、LOHASをテーマに精力的に取材活動をされました。
その活動のひとつの結晶として、この「ロハス・ワールドリポート」が出版の運びとなったことは、「きゃりあ・ぷれす」としても大変な喜びです。
本書では、LOHASが本当に意味するところを明確に示した上で、「フード&ファッション」「リビング&モビリティ」「ヘルス」「レジャー&エンタテイメント」「マネー」「ラーニング」「ワーク&ライフ」という、私たちの暮らしに即した7つの項目で、主に欧米での多くの事例をリポートしています。
私が特に興味をもったのは、「マネー」と「ワーク&ライフ」の項目です。
やはり、近代という時代を経た私たちの社会は、お金の流れを変えなければ本当に変化するのは難しいからです。また、マネーの流れに関するアイデアや仕組みづくりに関しては、欧米人の特に優れているところです。私たちも大いに参考にしたいものだと思います。
また「ワーク&ライフ」については、「きゃりあ・ぷれす」のテーマと大きく重なります。この章の中で木村さんが書かれている「ワ−クライフブレンド」、特に、おそらく今回木村さんがそれを日本語表現する際に思いを込めたであろう「公私渾然(こうしこんぜん)」という言葉には大変共鳴します。
木村さんは、「ワーク&ライフ」の章をこんな風に結んでいます。
〜「公私渾然」──。仕事人としてモノやサービスを生み出す「公」の自分と、一般の消費者としての「私」の自分とが、切っても切り離せない状態で心地よく重なり合っている状態です。このような状態になると、人は「私」の自分が嫌がることを「公」の自分としてやってしまおうとは思わなくなるはずです。そう思った時から、「公私渾然」としたLOHAS生活が始まるのです。〜
真の意味でLOHAS的社会をつくっていく上で、この仕事と生活のあり方こそ、最も重要なポイントだと感じます。
特に、物質的な豊さが頂点に達した今、人の「幸せ」のひとつのバロメーターは、その人の仕事での価値観と私生活の価値観が分断されていない自己統一性の度合いなのではないでしょうか。
そしてそうした自己統一性をより多くの人々がもてるようになった時、より幸せで本当に豊かな社会が生まれるのだと思います。
仕事で疲弊し切った自分を何かで癒すことのくり返しは、本当のLOHASとは言いがたいのです。逆に仕事と私生活の価値観が一致していれば、仕事は「労働」ではなく、生きていくことそのものの「営み」になるのではないかと思います。
著書「ロハス・ワールドリポート」では、主にLOHASの本家本元、欧米の事例を、そして、今日リニュ−アルスタートの木村さんのサイト「Poco
a Poco」では主に日本の事例を紹介しています。
是非その両方をチェックしてください。本当のLOHASが見えてきます。
(宮崎郁子)
「ロハス・ワールドリポート ー人と環境を大切にする生き方ー」
(木村麻紀 著 木楽舎)
世界のLOHASの潮流が分かる
ご質問やコメント、お待ちしております。
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