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ホメオパシー&ハーブから考える本当の健康

 日本では、軽い症状なら近所のドラッグストアで薬を買って飲んで治してしまうこともできるが、医薬分業が徹底しているドイツでは、薬は原則として医師の処方箋がなければ購入できない。症状が重ければもちろん病院に行くべきなのだが、こちらの病院は急患以外は普通予約制なので、予約なしで病院に行ってもすぐには診てもらえない。予約する手間や待ち時間を考えると、軽い症状なら自力で治してしまうほうが合理的。そう考えるドイツの人々がセルフケアに利用しているのが、ホメオパシーとメディカルハーブ(薬草)だ。

 ホメオパシーは、病気の症状と同じ症状をもたらす植物や鉱物などから抽出した成分を用いて作られる米粒大のレメディと呼ばれる薬を使って治療するヨーロッパ発祥の医療。メディカルハーブは、乾燥させてお茶の形で飲むのが一般的。いずれも、人間に備わった自然治癒力を最大限に引き出しながら体内の健康なバランスを回復させることに主眼を置く 代替・統合医療の一種に数えられる。

 ドイツでは、薬局に行けばホメオパシーのレメディやメディカルハーブティーを誰でも買うことができる。特にメディカルハーブティーはレメディの効能についての知識がない人々にも親しまれていて、「とにかく何か効くものが欲しい」と薬局に行って訴えると、たいていの薬剤師さんは症状に合ったハーブティーを勧めてくれる。医師が処方したレメディであれば、健康保険の支払い対象にもなる。即効性がある代わりに副作用も気になる現代医療で用いられる薬とは違い、ホメオパシーやメディカルハーブは副作用を気にしなくても良く、妊娠中で薬が飲めない人も安心して利用することができる(妊娠中のレメディやメディカルハーブの使用は、専門医に相談することをお勧めします)。そんな「人にやさしい」医療が、日本でも人気を呼びつつあるようだ。

 ドイツ・マリエン薬局自然療法ショップは、ミュンヘン近郊のプリーエンという街にあるマリエン薬局のレメディと有機無農薬のメディカルハーブティーを取り扱うサイトとしてオープン。同ショップでは、ホメオパシーやメディカルハーブの品質に厳しい基準を課していることで知られる欧州連合(EU)やドイツの薬事法に適合した質の高い製品のみを扱っている。ショップには、アレルギーなどの健康不安を抱えていた人たちから、レメディやハーブティーを使用したことで症状がなくなったなどといった感謝の声が次々と寄せられているそうだ。私も一度、肌にちょっとしたトラブルが起きた時に、同社のメディカルハーブティー「美肌ブレンド」を飲み、肌のくすみが取れていく効果を実感したものだった。ショップのレメディやメディカルハーブのユーザーは増えていて、製品によっては売り上げが昨年の10倍に増えたものもあるそうだ。(写真=ドイツ・マリエン薬局自然療法ショップのハーブティーとレメディ)

 ショップを運営する栗原美幸さんは「ドイツではホメオパシーやメディカルハーブが生活に根付いていますが、日本ではまだまだ。ホメオパシーやメディカルハーブを生活の中にうまく取り入れるための情報をもっと提供していきたいですね」と意気込んでいる。(2005年10月掲載、写真提供;ドイツ・マリエン薬局自然療法ショップ)

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