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第2ステージに入った世界の風力発電

 地球温暖化の原因である二酸化炭素(CO2)の排出削減効果の高い再生可能エネルギーの旗手として世界的に注目度が高まる風力発電。世界の風力発電容量は、1998年以降毎年40%前後の伸びを示し、2001年時点で約2万5000メガワット(MW)となった。安定成長期に入った欧米諸国とは対照的に、アジア太平洋やアフリカでは風力発電の一層の拡大につながりそうな計画が目白押しだ。

 世界第5位の発電容量を誇るインドは、これまでも地域分散型電源の主力として風力発電を推進してきたが、今後10年間に発電容量を現在の1500MWから6000MWにまで拡大する計画を進めている。長期低金利ローンや各種税金の軽減、免除などの優遇策を通じて民間投資を呼び込み、送電線の建設に費用がかかる遠隔地での発電容量の拡大を狙う。

 中国は、昨年スタートの第10次五カ年計画で、太陽光と並んで風力を「無電郷」(電化されていない農村部)解消の切り札となる再生可能エネルギーと位置付けた。国内各地の500MW級の発電所建設計画の中から国際入札を実施するモデル計画を選定すると同時に、風車の国産化率を現在の40%から70%まで引き上げることを目指す。また、アジア太平洋地域の中ではやや遅れをとった感のあるオーストラリアでも、10年までの発電容量目標を5000MW(日本は3000MW)とすることが決まっている。

 さらに、これまで風力発電不毛の地に等しかったサハラ以南のアフリカ諸国でも、恵まれた石炭資源による火力発電が主流だった南アフリカ共和国が、2012年までに発電量の2%を再生可能エネルギーとする方針を打ち出すなど、風力発電が拡大する兆しが見えてきた。欧州風力エネルギー協会(EWEA)は、01年の世界の発電容量に匹敵する2万5000MW分の発電設備が、20年までにこの地域だけで建設されると予想している。

 これに対して、陸上での風車の設置余地が限界に近づくドイツやデンマークなどでは、オフショアウィンドファーム(洋上風力発電)が今後の風力発電拡大の核となりそうだ。デンマークの再生可能エネルギー専門コンサルタントであるBTMコンサルトによると、2000年時点で86MWだった欧州のオフショア発電容量は、05年には2400MWまで増加する見通しとなっている。

 90年代に欧米を中心に急速に広がった風力発電。アジア太平洋地域とアフリカ、そして海上から「第二の追い風」が吹き始めている。(2003年3月掲載)

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