2015.10.06発行 vol.381
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発行人の気まぐれコラム 4

◇ next・近代。脱・明治

その8 「マネー」と「ビジネス」に関連してもろもろ思うところ。

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マネーやビジネス、言いかえればお金と商売は、世界の長い歴史の中で便利なツールとして定着してきたことです。ですのでそれを否定するということは、全く無理ですし、無意味です。
また、それとはまた異なる機能も確かにあります。

■ マネー」と「ビジネス」のわかりやすさには、確かに無責任・癒着などを制御する機能はある・・・。

たとえば、ビジネスでない場合、つまらない人間関係やハバツの論理、無責任、ことなかれ主義が横行することが多々あります。

たとえば今回のオリンピック騒動。
もし主体が企業であったら、ムダにかかった大金は、企業の損失になりますし、問題発覚によって発生する損害賠償も、主体の企業が被ることになります。ところが、それが国やその配下の団体の失態になったとたん、すべては税金で処理されます。つまり主体そのものは、誰一人何の金銭的、さらには精神的にすら打撃を受けないのです。
納税者として、関係者、特に責任者に、その損害賠償訴訟でもおこしたい所です。

さすがにビジネスではそんなことは許されません。それは、マネーの力によって制御されているからです。
そういう意味では、マネーやビジネスには不正、腐敗、無責任、馴れ合いを制御する、それなりの価値はあると思います。そしてドロドロした人間関係からも稼ぐ実力さえあれば多少は解放されるので、スッキリしている部分も確かにあります。

では、マネーによる制御しか人の行動は律することができないのでしょうか。だとすれば何と悲しいことでしょう。

当然、行政など納税者のお金を預かり、日本列島に住む人々の福祉、幸福のために働く人たちには、とりわけ高次の倫理観が必須です。そして、徴収する時の税務署以上の厳正なチェックや不正摘発能力をもつ独立した機関も必要です。

本来は、一応選挙によって選ばれた議員がしっかりチェックすべきですが、長年同じ勢力が政権をもつと、馴れ合い、助け合いが定着して、チェックは効きません。そのかわり、「よきに計らえ」とお任せ状態で放っておけるので、政権の手間ははぶけて楽チンです。
そしてたまに政権が変わる事態になると、役人は全く言うことを聞かず、その政権に打撃を与えようと、サボタージュしたり真実を隠匿したりします。
まあ、強烈なイヤガラセですね。

今のままの構造では、チェックは全然効かないと思われます。それを変えることこそが急務で、そこにまでマネーやビジネスの制御が必要とは、もちろん全く思いません。

■ もともと大いなる愚策だったオリンピック誘致の継続。

オリンピックの話になったついでに、経済にも無関係ではないので、そのことについても少し書かせてください。

私自身は、当初から日本でのオリンピック開催には、反対でした。確かに3・11以前、マネーが動かないという現象が日本にはあったと思います。
そして、あの3・11。私は、本当に大変なことになったと悲嘆にくれましたが、もし、たったひとつだけ小さな、マイナスでないことがあるとすれば、その未曾有の被害、原発事故の対応として、当然多くのマネーが必要になるということでした。多額の国債を発行しても、政府が3・11被害対応のために市中にマネーを放出せざるをえないことになり、雇用が生まれ、いわゆる景気刺激策につながるだろうと思ったのです。(結局今では、3.11以前の不景気は日銀がジャブジャブお札を刷ることで解決できるというものでもなかったことが実証されていますが・・・)

ところが!! こともあろうに、さらにオリンピックなんかを開催するとは何事だ! たとえ前からその流れがあっても、3・11の惨状を正しく伝えれば、候補地立候補を取り下げることはできたはずです。オリンピックなんかに使う税金を被害者救済、被災地復興、原発廃炉促進などに使うべき時だと思いました。建設業者や建設作業従事者のほとんどを、3・11の被害回復に回すべき時だと。
そして、今回のオリンピックにかかわる相次ぐテイタラク。
政府や役人は、本当に何も考えていないんだなということに、心の底からの確信と怒りがこみ上げてきています。
そして安保法制。さらには機能不全、問題山積の国連の常任理事国入りを、飛んで火に入る夏の虫よろしく目指すなど、安倍氏は、大ウソばかりの希代の詐欺師ならまだしも、本当の白痴的無知蒙昧だということがますます明確になっていると思わざるを得ません。

ああ、また話が大きくそれてしまいました。
今回は、これまでにしますね、次回こそは、「私たちの住む列島や私たちの持ち味などをどう活かして、next・近代、脱・明治の社会像を描いていくか」というテーマに沿って、できるだけ横道にそれずにマネーやビジネスのことを書きいていきたいと思っています。

みなさんのご意見、ご感想などお待ちしております。


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2015年10月06日 『きゃりあ・ぷれす』発行人 宮崎郁子

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