2015.8.28発行 vol.377
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発行人の気まぐれコラム 4
武力をもってある時代を終わらせた次の権力者は、前の時代を否定し悪者にするということは、世界の常套だとは思います。ですから、明治の時代に江戸時代が否定され、過小評価されたことは、やむを得ないことだったとは思います。
前の時代が偉大であればあるほど、それを打ち消すのにやっきになって、引き継ぐべき要素、役に立つ要素まで捨ててしまって、何でもかんでも西欧のマネに走ったことは、大変な不見識だったとは言えます。そしてそのことを今の今まで引きずってしまっていることこそが大きな問題です。
(近頃のNHKは、安倍さんにおもねっているのでしょうか、また急に必死になって明治を賛美し、江戸のマイナス面を喧伝するドラマとかを露骨に放送しています。あまりにもわかりやすいので、すぐバレるところがいいですが。)
さて、明治大好きがまかり通るのは、西欧近代への絶対信奉と強い関連性があるのですが、その信奉している神話自体が疑問視されているのだと私は思います。けれども、西欧近代への盲目的な信仰は、世界的に見ても、なかなか解けるものではありません。西欧近代の問題点を直視することは、大変困難になっています。特にその方向性を生み出した本家本元、欧米には、さらに困難なことでしょう。
けれども多くの人々が、実は疑問や懸念をもっているということもまた事実です。ただ、じゃあそれに代わるべきものがあるのかということになってしまい、ズルズルと続いてしまっているというのが現状なのだと思います。
もちろん今だに何の疑問ももたずに、その方向に邁進している人が圧倒的な多数派であることは否定できないでしょう。染みついた固定概念がありますし、何と言ってもその方が儲かりそうです。現実には、苛烈なサバイバルレースを勝ち抜いたほんのひとにぎりしか、果実を得ることはできない訳ですが。
まあ、ムダ話はこの位にして、ほんとの本題に入りましょう。
前号で、「私たちの住む列島や私たちの持ち味などをどう活かして、next・近代、脱・明治の社会像を描いていくかについて書いてみたいと思います。」と書きました。
本当にタイソウなことで、私の手などには負えないことなのですが、実証された「感覚」という根拠に基づく「気まぐれコラム」ということで、(4月2日の「気まぐれコラム、スタート」の号で書いています。)お許しいただければと思います。
http://www.pangea.jp/c-press/melmaga/data/150402.html
そして、何度も書いていますが、すぐさま実現できることではないことも書きます。あくまで長期レンジで、その方向性を目指すというものも沢山書きます。
でもすぐできることもあります。そして全部すぐその方向性を定めて、今すぐスタート切るべきことだと感じています。そうしないと、どんどん逆方向に進んでしまうからです。
江戸時代は、もちろんそれを実現していたのですが、今は人口も格段に多いし、とても無理。と思いますよね。であれば、少しずつ自給可能量に見合う人口になっていけばいいのではないでしょうか。何しろ、食料を自給できれば怖いものなし。無用な海外との争いもなくなるでしょう。国の安全保障にとって、これほど強い力をもつことはありません。
特に野菜や魚などの生鮮食料品、お米(できれば小麦も)は、はっきりそれを目指すべきです。
そして、農林業や漁業を担う人々に対して、他のどの職業より高い位置づけ、強い尊敬の念をもつべきです。何しろ、それがなくては生物として生きていけないのですから。そして、国の安全保障に大いに寄与するのですから。さらに、空から農薬を撒くような大規模農業や、同じ種類の樹木をむりやり密集させて植林したりする林業、海洋資源を根こそぎさらう無神経な漁業でなく、私たちの先人から引き継いだ、人の手と心がかかわり、自然との共生を旨とする農林漁業は、この列島の自然環境を守るものでもあるのですから。
食料の完全自給なんか目指したら、列島の自然は破壊されてしまう、ということもある意味事実かもしれません。でもそれは、今のような人口で、今のような食料廃棄量のままだったら、ということではないでしょうか。
いきなり「食料の完全自給」、というのは、ちょっとハードルが高すぎるかも知れませんね。
でも! 現状の自給率は40%程度と、大臣官房食料安全保障課のサイトには出ています。私には、意外に高いんだ、それなら希望がもてると思ったりします。でもTPPなんかを推進する方向性とは、真逆ですけど。
今号は、このくらいにしますね。次号では、いよいよ[自然エネルギーによる、エネルギーの完全自給]です。
これは、ちゃんとやれば夢いっぱいですよ! ぜひ読んでください。
みなさんのご意見、ご感想などお待ちしております。
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2015年8月28日 『きゃりあ・ぷれす』発行人 宮崎郁子
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