2007.9.19発行 vol.258
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■特集企画■ヘロリ・ペロリ日記 その19

〜 あなたは“芸術の秋”?それとも“食欲の秋”?
           それぞれの秋の深まりを感じてみよう! 〜

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ヘロリ・ペロリ日記とは、『きゃりあ・ぷれす』が定期的に開催している
「身体感覚講座」の講師松田恵美子さんとライターの山崎義高さんの「往復
日記」です。

過去のヘロリ・ペロリ日記↓
【1〜14】
http://www.pangea.jp/c-press/semina/sintai/herori/index.html
【15〜】
http://d.hatena.ne.jp/kyurekibijin/

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           ヘロリペロリ日記 その19
      〜 あなたは“芸術の秋”?それとも“食欲の秋”?
           それぞれの秋の深まりを感じてみよう! 〜
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【ヘロリ山崎より】

こんにちは!
ついこの間、残暑などと“ヘロリ・ペロリ”と書いたばかりですが、もうす
っかり秋の模様となってまいりました。朝晩の涼しさもさることながら、な
によりも蝉の鳴き声がいつの間にか聞こえてこなくなったのも、夏の終わり
をぐっと感じさせる変化といえるでしょう。サラバ蝉よ、また来年の夏まで。
来年こそはしっかりと夏を満喫し、山でキャンプなどもして、大自然の真っ
只中にて、相まみえることを楽しみにしておりますよ。

さて、そんな気分になれたのも9月の身体感覚講座で、「秋の身体」にチュ
ーニングをしたことも大いに関係あると思います。足のツボを軽く押したり、
そっと指を添えることで、内臓に響く感覚を全身で受け取ったように感じら
れました。一足先に身体感覚を「秋」の状態にし、季節としての秋を迎え撃
つような、そんな余裕を持ったココロモチで青空を眺めていたり、また、ど
っとしぶきを打ち付ける台風や、秋雨の雨だれの音に耳を澄ませていると、
夏から秋への変化が、まるでイキモノのようにときとして優しく、またとき
に激しく、絶え間なく変化しているのだなあと実感できるのでした。
それは四季の変化であり、また自分自身の肉体的な変化、精神的な変化でも
あるのかもしれないなあ、とか思いました。「身体感覚」というものは物質
ではないので、目に見えないものを「どれだけ」、また、「どのように」感
じるかが大切です。また「感じる」ことも大切なのですが、もっと大切なこ
とは、その目に見えない感覚を信じることだなあと、ここのところは強く感
じています。なにかにつけて頭で考えて判断しようとする傾向が、僕などは
強いのですが、自然界の変化、森羅万象に目を向けると、頭で考えることに
は限界があるなあと、やはり思うのです。
「考える」よりも「受け取ること」。「決め付ける」ことよりも「受け入れ
る」ことが大切なんじゃなかろうかと思い、またそういう心境がいかにも
「秋」らしいなあ。それもまあ「芸術の秋」ということで仕方あるまいと、
我ながらちょいとセンチメンタルな気分です(笑)。

さて、次回の講座は10月6日(土)ですね。9月23日が「秋分の日」で、
この日に昼と夜の長さが同じになります。この日以降はだんだんと夜が長く
なり、いよいよ季節は秋の深まりを感じるようになります。ちなみに秋分の
日は「お彼岸」でもあって、お供え物として、あんこ餅を仏壇などに備えま
すが、あのお餅、秋のお彼岸は「おはぎ」となり、春のお彼岸には「ぼたも
ち」と呼ばれます。これはお彼岸の頃に咲く花が、春は「ぼたん(牡丹)」
秋は「はぎ(萩)」であることからきた呼び方だという説があります。これ
まで「おはぎ」と「ぼたもち」は何が違うんだろうと思いつつ、適当に呼ん
でいましたが、そういう違いがあったんですねえ。「食欲の秋」ということ
で、食べ物についての豆知識でした〜。
なお、10月8日頃は「寒露」で、冷たい露が朝方に見られるようになり、
昼と夜の寒暖差で野山で紅葉がはじまります。いよいよ秋本番、東京でも少
し足を伸ばすと豊かな自然がたくさん見られる場所がありますし、紅葉狩り
などに出かけたいものです。どこかいい場所をご存知の方がいらっしゃった
ら編集部宛にぜひお知らせくださいませ〜。

それでは松田さんには、次回の講座の内容についてのさわりなど、お知らせ
いただければと思います。松田さんにとっての「食欲の秋」なんてのもあり
ましたら楽しみにしておりますよ。よろしく〜。

【ペロリ松田より】

いやあ、私の立場では、「“食欲の秋”にだまされちゃいけない」と言わな
くちゃいけないんだろうなあ。それはどういうことかと言うと“おいしいも
のをちょっと食べると充つる秋かな”ということなのです。
なぜなら、秋は寒さ激しい冬に向けて骨盤が閉まってくる動きが活発になっ
てくるから。夏のような、心身ともに開放感のある状態はだんだん薄らいで、
少しずつ身体は冬の準備に向かっています。骨盤が閉じてくるということは、
気持ちも内側に向かいやすく、繊細な感受性が高まってくる、という時期で
もあるのです。
だから、むしろお薦めは“芸術の秋”!
それでも何となく、目は食べ物ばかりにいってしまうという場合…は、「量
より質」で勝負です。
本当においしいと感じるものを少しだけ。しみじみと味わうひと時のなんと
贅沢なことか…。というわけで、秋も本番10月は、自分の身体の内側を丁
寧に味わってみるという、自分の中の繊細さにチューニングを合わせること
を促進していこうと思っています。
どうぞ秋を身体で堪能してみてくださいね。


【ペロリ松田プロフィール】
■松田恵美子(まつだえみこ)
身体感覚育成講座講師。現代人における生命力の発露を探究。日々の動作や
日本文化における型などを感覚からひもとき、日常生活に活かせる知恵や技
として活用することで、自分のからだを自分で育む姿勢を伝えている。学校
教育における教材化の研究協力にも携わる。
Be-nature school講師。共著に『自分という自然に出会う)』(講談社/刊)、
『おとなの自然塾)』(岩波アクティブ新書)。
監修『旧暦美人のすすめ)』(東洋経済新報社) 2007年3月発売。


【ヘロリ山崎プロフィール】
■山崎義高(やまさきよしたか)
  「きゃりあ・ぷれす」編集部を経て、現在はフリーのライター。旧暦、身
  体感覚、ヨーガ、野菜、ビールなどをテーマに活動中。お仕事のご依頼は
  お気軽に〜♪< yoshitak@kingyobanchi.dialog.jp >
『スポーツキッズα(ベースボールマガジン社)』
< http://www.sportsclick.jp/sportskids/ >、身体感覚講座から生まれた
本、『旧暦美人のすすめ(東洋経済新報社刊)』など。