2003.11.26発行 vol.152
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■特集企画■自転車を見直してみませんか?
      〜自転車を中心に繋がる人たちの活動を追ってみて、
       見えてくる未来とは〜

      ◆自転車を特集するにあたって

      ◆自転車プロジェクトについて

      ◆「東京デザイナーズブロック」に参加して感じたこと

      ◆トウキョウカクメイカの活動理念

      ◆自転車に込める想い

      ◆インターンアンケートから(編集後記) …………………………………………………………………………………………

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       --- 自転車を見直してみませんか? ---
 自転車を中心に繋がる人たちの活動を追ってみて、見えてくる未来とは
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◆自転車を特集するにあたって
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「きゃりあ・ぷれす」でどうして“自転車”なのか?“第2フェーズ”以降
の方向性に合致しそうなテーマをいくつかあげてみよう。
「排気ガスを出さない環境効果」、「運動不足な現代人に必要な運動効果」、
「実は都心部では最も早い移動手段である自転車を見直そう」Etc...。

・「第2フェーズ」特集号
http://www.pangea.jp/c-press/backnumber/cp-0120.html

“自転車”という乗り物は最近特に見直されつつあり、雑誌でも特集記事が
よく組まれているのを見かける。“エコロジー”や“健康的”といった価値
観が主な切り口となっているようである。
そういった価値観は今ではもう、とっくに社会に受け入れられ、消費の段階
に入っているといえる。家電店では「環境効果」、「省エネルギー」をうた
う商品が溢れている。メーカーは“次”のコンセプトを探し、エコロジーと
ハイテクの融合である、ハイブリッド自動車のようなものまで開発した。最
近発表された最新のハイブリッド・カーは運転者になり代わり駐車を自動で
行なう機能も追加された。

自転車はどうだろう。基本的な構造は昔からあまり変わっていない、むしろ
社会の価値観が変わってきた中で、その存在が浮かび上がってきたような印
象である。それは都市化が進んだ都心部で、かつて排除されてしまった植物
たちが“屋上緑化”と称して蘇っている姿とだぶって見える。

「なぜ自転車なのか?」

「きゃりあ・ぷれす」123号、124号でtrikeという3輪の自転車を取材
して以来、急激に自転車のことが気になっている。
デザイナーやプログラマ−などいわゆる“クリエイター”と呼ばれる職業に
就いている人に自転車愛好者が多いように思う。1日中パソコンに向き合っ
ていたりすると反動で運動をしたくなるのだろうか。
そんな中である本を読んだ。作家の村上春樹氏の言葉の中で“身体性”が自
分自身の作品に大きく影響を与えているというくだりがあった。書きたいこ
とを掘り下げるための体力が必要になって走るようになったのだと。それは
徹夜に耐えれる体力といった身体的な必要性であったり、ストーリーを生み
出すために自らの“内部”を探究するための身体の力が必要なのだと理解し
た。
それは精神力のことではないかと思われがちだがそうではなく、走ることに
よる身体の変化(脈拍や筋肉、体型)が、自らの小説観や文体の変化に影響
を与えているというのだ。

村上春樹の対談での言葉を読んでから、身の回りのクリエイターたちの自転
車への傾倒を、また違った視点からも見ることとなった。今回、メッセンジ
ャーを仕事とする人々と触れあう機会もあり、彼らの特徴として感じたのは
とにかく移動が早いということと、目の前のできごとについて積極的に取り
組む姿勢を強く感じた。各個人の性格がたまたまそうだっただけなのかもし
れないが、彼らがもし自転車に乗らない仕事に就いていたら、ものごとに取
り組む姿勢が今とは違ったかもしれない。

今回取材で協力していただいたのは、今年で4回めを数えるデザインイベン
トである「東京デザイナーズブロック」の中で「R-cycle」というコンセプ
トの自転車プロジェクトを取りまとめるトウキョウカクメイカのみなさん。
以前より「サイクル・カフェ」という駐輪用スタンドとカフェテーブルが一
体化したデザインの「サイクルスタンド」をもって数々のイベントに参加し
てきた実績がある。また今回、インターンとして自転車プロジェクトを手伝
った若い人たちにも、イベントを通して感じたことをアンケート形式でコメ
ントをいただいた。
彼らの活動や考え方、今後の目標などを知る中で“自転車”と共にある社会
のイメージがどんなものであるかを伝えていきたいと思う。そのイメージが
「きゃりあ・ぷれす」にとっても共感できるものであると思い、自転車を特
集してみた次第である。   (“自転車担当”編集スタッフ 山崎義高)

・「R-cycle」プロジェクトのサイト
http://www.r-cycle.org/cyclecafe/html/

・メールマガジン
http://www.r-cycle.org/cyclecafe/html/mm.html

※文中で使用した村上春樹氏に関する箇所は以下の書籍をもとにしています。
「村上春樹、河合隼雄に会いにいく」(岩波書店)

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◆自転車プロジェクトについて
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−自転車プロジェクトとはどのようなものですか?

 「R-cycle」という“「サイクル」を「リサイクル」する”というコンセ
プトのプロジェクトです。具体的にはゴミになりかけている放置自転車や、
メーカーの倉庫に眠っていた自転車を、メカニックや、若手アーティスト、
学生インターンの手でリメイクした「再生アート自転車」を使用したレンタ
サイクルや、サイクルスタンドによるカフェ空間、またバイクメッセンジャ
ーによる案内サービスの提供です。
「R-cycle」の「R」には、リサイクル、リメイク、レクリエーション、リ
ラックス、レボリューションなど、自転車の持つさまざまな可能性を込めま
した。

古くなったものを、ただ単にリユースするというイメージではなくて、あく
まで「リデザイン」といった要素が必要不可欠で、トータルで「レボリュー
ショナル」であるモノを目指しています。

−「レボリューショナル」の意味をもう少し分かりやすくお願いします。

 「カクメイ」的であって、暴力的ではない表現を目指しています。そこに
はメーカーがなぜ製品としてこのような自転車を作らないのか、といったこ
とを逆に問いたい思いが込められています。放置された自転車を再生し、デ
ザイン的に味付けしただけで印象ががらっと変わる。そのがらっと変わると
きの「驚き」や「感動」をレボリューショナルと言っていいように思う。

 また、「R」は「リアル」のRと言ってもよくて、あくまで日常的な意味
合いで付加価値のあるものでありたいという気持ちも同時にあります。デザ
インと生活感の融合で、新しいカタチの自転車を提案したい。そのあり方に
対して「R-cycle」という名前をつけました。

−「R-cycle」に込める思いやイメージはどのようなものなのでしょうか。

 身の丈に合ったものでありたいですね。それでありながら、大量生産で作
られている自転車とは違う味わいを出していきたい。最大公約数的に大量に
作るのではなくて、ひとつひとつに違った手触りがあって、その手触りを気
軽に体験できるきっかけを提供したいと考えています。

−反響はありましたか?

 レンタサイクルについては、途中雨が降った日もありましたが、それでも
かなりの反響がありました。ほとんどの自転車が出払っている日もありまし
た。普段あまり自転車に乗らない人も結構いて、それでも「楽しかった」と
言ってもらえたのが嬉しかったですね。
自転車の販売もある程度の台数が売れて、目標は達成したと思っています。
ただ、バイクメッセンジャーが道案内するサービスの利用があまりなかった
んですが、あまり馴染みのないサービスということもあって、もう少し時間
をかけて説明すれば良かったかなと反省しています。道路を自転車で走ると
きに、彼らのようなプロにサポートしてもらうと、安心して走ることができ
ます。そのことをもっと知ってもらいたいです。

−「R-cycle」について、目下の課題はありますか。

 「R-cycle」という概念で自転車を改めて作り直してみると、新しい発見
がいろいろありました。「R-cycle」は手法なんです。今後、「R-cycle」を
やるというときには、イベントの性格によって違ったみせ方を要求される事
態も予想されます。そこで要求される「見せ方」をスムーズに行なうために
も、“コア”にあたるスタンダードな「R-cycle」の手法をある程度突き詰
めていって、完成度を高めるというのが目下の課題だと思います。

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◆「東京デザイナーズブロック」に参加して感じたこと
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−「東京デザイナーズブロック」とはどのようなイベントですか?

 「デザインが都市を変える」をテーマに、今年で4回目を迎えるデザイン
イベントです。原宿、青山、六本木、渋谷、代官山、恵比寿を舞台に、250
人を超えるデザイナーによる、展示会やシンポジウム、イベント、パーティ
ーが開催されました。

−参加しての感想をお願いします。

 いろんな人の協力を得られて、そこで自分一人ではできないことをできた
部分があり充実感はあったんですが、スタッフ間のコミュニケーションでは
うまく機能していないこともありました。今回参加してくれた人たちはみん
な個性的な方でしっかりした技術のある方が参加してくれたので、何とかな
ったと思います。
インターンの方もスタッフとして手伝ってもらったんですが、当初参加を希
望したのが約20人でした。その中でもレギュラーとして参加してくれたの
は10人以下、さらに毎日のように参加してくれたのは本当に数えるほどで
した。

−スタッフの管理がうまくいかなかったということでしょうか?

 今回のイベントでは、スタッフの作業への参加に対して、強制するような
ことはしないでやろうという考えがありました。その分、集合を掛けておい
ても、朝行ってみたら誰もいないという状況が準備期間中に何日かあって、
それが結構ストレスになったというのはありますね。
だからといって、今後はスケジュールや役割をきっちりと決めて、管理して
いこうとは思っていません。参加するスタッフが自主的に取り組んでくれる
のが一番いいことだと思っています。難しいことですが、スタッフ間のコミ
ュニケーションをどう取っていくかは、手探りで続けていこうと考えていま
す。

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◆トウキョウカクメイカの活動理念
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−プロジェクトを運営した「トウキョウカクメイカ」という団体について説
 明をお願いします。

 トウキョウカクメイカは謎の任意団体です(笑)。いろんな業種に就いて
いる人たちで成り立っています。自転車が好きなメンバーの集まりで、時々
会って飲みながら話をするのがほとんどですが、たまにこうやって誰かが企
画を持ち込んで、それぞれのメンバーが力を出し合う中で、何がやれるのか
というと、割と固有の業種では為し得ないことができたりするわけです。

今回は、主催者側(株式会社イデー)で「自転車」というキーワードが出て、
それなら心当たりがあるという話が回り回って、「サイクルカフェ」で実績
があった僕たちのところに振られてきたわけです。

−仕事とプライベートの区切りがあまり感じられませんが。

 そうですね。基本的には何も強制力がないことが大前提の関係です。だか
らといって、いい加減でいいというわけではなく、自己責任、自己範疇を見
極めてそこにおける責任を全うすることを最優先に考えます。求められてい
る“最低限”のレベルをこなす中で、協力者やスタッフとうまく共同でやれ
ば、さらに良いものができるかもしれない。だけど、“最低限”やるべきポ
イントを見失わないようにしています。

−そういった姿勢に対して、周りからいろいろと言われることはないですか。

 「トウキョウカクメイカ」というユニットの曖昧さ加減は、コンセンサス
が取れていながら強制力はないというところにあって、それが他者から見て
どう見えるかは気にしないようにしています。「そんな甘いこと言っててビ
ジネスとして成り立つのか」と言ってくる人が時々いるんですが、そう言っ
てくる人からのビジネスの申し入れは、今のところ一件もありません(笑)。
まあ、周りからの声はともかく、トウキョウカクメイカは会社組織でもなく、
今のところ、これといって利益も上げていません。さっきのスタッフ間のコ
ミュニケーションも含めて、運営体勢を整えた上で活動を利益に結び付ける
ことが今後の大きな課題だと考えています。

−仕事のやり方、進め方として思っていることがありますか。

 今回のイベントで、インターンに対しては常に無理強いしないよう心掛け
ました。一例を示してひとつのやり方を見せることで安心してもらって、あ
とは自主性をもって取り組んでもらえるかどうかは個人の判断にまかせよう
と思いました。

基本的には、口を酸っぱくしてでも「無理をするな!」と伝えることが大事
なような気がしています。「頑張れ」と言うのは簡単で、放っておいてもた
いてい頑張っているんです。なので、無理してしまうことを予測し、トラブ
ルを未然に防ぐよう働きかける。そういった視点が指示をする側の資質とし
て大事なのではないかと思うんです。
極端な言い方になってしまいますが、無理をして短時間で仕事をやり遂げて、
殺伐としているのがいいのか、多少時間がかかっても、じっくり取り組んで
やり遂げたときにニコニコしているのがいいのかというときに、自分がどち
らを選びたいのか、実際にどちらを選べているのかを冷静に判断することが
大事だと思います。

仕事のやりやすさ、能力を発揮する瞬間というのはどんな仕事でも普遍的な
やり方があるように思う。社会を見渡すと、誰かを追い詰めたり、批判する
ことによって成り立っている仕事が多く目につきます。無理をして急かして
も仕事をやり遂げるまではパフォーマンスの落ちる時期は必ずあるので、じ
っくり落ち着いて取り組んでも、きっとどこかでものすごいパフォーマンス
を発揮するタイミングが来て、最終的には最も質の高い仕事をやり遂げる可
能性は高いように思う。そのやり方を今はいろいろ探っているところですね。

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◆自転車に込める想い
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−メンバーそれぞれの自転車への想い、自転車が好きになって自分で変わっ
 たと思うことなどお願いします。

○最初に手にした冒険の道具

ふと思い立って旅に出てみた。自転車で。うおっ、自分の力で漕ぎ進めるこ
とがこんなに気持ち良くてこんなに大変なことなのか!とまさに目からウロ
コ。いや、思い出しただけかもしれなかったのだが。とにかく、そこから人
生の歯車が数段切り替わっちゃったような気がする。とてもユルい方向に。
これって実は子供の頃最初に手に入れた冒険の道具だったんだなあと、わく
わく感にあらためて気付いたわけです。懐かしさと、それでいてとても未来
的な感触もある。なぜだろうと考えているうち「cyclecafe」とか「R-cycle」
とか、いつの間にかやっている自分がいる。なにそれ。生来の図画工作少年
(?)はハタから見ると真剣なのか遊んでるのかもよくわかんないらしいが、
本人はいたってマジメなつもりです(笑)。歩行者とクルマの狭間で歩道で
は強者、車道では弱者な自転車。両者の視点に立って居場所を求めてみると、
前よりちょっと人にやさしくなれるかも。道路は変わらなくても。これはま
だまだ楽しむネタの尽きない、今やぼくにとって未来にはばたく冒険の道具
なのだ!                    (yassy cyclecafe)


自転車って、イメージはいいと思うんです。テレビでも有名人が自転車乗っ
てとか、そんな企画多いですよね?僕も、ずっと自転車については“隣の素
敵なお姉さん”みたいな感覚で、いいなぁと思ってました。でも、自転車を
生活に積極的に取り入れたのは、そう思い出してからずっと後のこと。東京
だったら、電車が発達してますもん。多摩地区から、一転渋谷区に住みだし
た頃、自転車と僕の生活が始まりました。
それからは、自転車の無い生活ってのが信じられないくらいです。移動する
っていう、けっこう厄介な問題を自分のペースで行えるってのが、とにかく
いい。しかも、適度な運動にはなるは、ご飯は美味しくなるは、夜はグッス
リ眠れるは。最初の「ちょっとした面倒くささ」さえ乗り越えてしまえば、
すごく自然なことになっちゃいます。しかも、何やらいいことしてる気分ま
で味わえてしまうという特典付きです。
そんなところからスタートして、自転車を通じて、いろんな人と知り合った
りしました。自転車に乗る人には、何やら“自転車的な人”とでも言うべき
ノリがあって、一緒にいて楽しいし、知的な刺激をうけます。そうやって、
うけた刺激のなかに、サイクルカフェとの出会いもありました。同じような
ことを考えてる人がいろんなところにいるんだなぁ、と思って嬉しかったで
す。日常的に自転車に乗り始めるのも、自転車を通じて面白い人と知り合っ
て打ち解けていくのも、最初はちょっとした勇気というか、「えいやっ!」
って気分が重要でした。自転車に初めて乗れた時って、そんな感じじゃあり
ませんでした?そして、それに慣れてしまえば、面白い世界、面白い人、面
白いプロジェクトとの出会いが待っているように思えます。今は、岐阜や名
古屋で生活してますけど、この「えいやっ!」って感じは、大事にしている
つもりですし、この感覚がわかる人と出会うと無性に嬉しくなっちゃうんで
すよね。                   榎本雄太(雑誌編集者)


○自分の力で前に進むことが少し分かってきた

ある日、「天からの啓示」のようにして自転車に入り込みました。1年3か
月が経過して、気が付けばあまりにも大きな変化が外面的内面的に訪れてい
て現在も続行中です。自分はいわゆる「マニア」ではなく、車種やブランド
にも、機械にも疎い身ですが「ツールとしての自転車」の可能性を豊かな未
来に繋げる方法を日々妄想しては「いいなあ〜」とニヤついています(笑)。
ともかく前へ前へと漕ぎ続けていきましょう。自分の足で前に進めることを
ちょっと忘れかけていました。      (y・yamasaki write-staff)

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◆インターンアンケートから(編集後記)
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最後に、「東京デザイナーズブロック(TDB)」に参加したインターンの方
々にアンケートをお願いし、返ってきたコメントを編集して掲載することに
した。ここまで取材してきて、「自転車」というツールがこれからの社会に
とって必要なものであるかどうか、それは「自転車」だけを特定して見る中
では見えてこない印象をもった。プロジェクトに関わるデザイナー、インタ
ーンそれぞれの想いがあり、協力したり、すれ違いながら結果として産み出
された作品としての「R-cycle」プロジェクトは今のところ、完成度や社会
的影響という意味では成功したとは言えないだろう。
ただし、それは既成の価値観で判断されることであって、本当は“大成功”
と言ってもいいのではないだろうか。アンケートを読みながら、インターン
の顔を思い浮かべながらそう思った。「R-cycle」プロジェクトはこれから
もずっと続けていくということである。今後もし、また特集することがあれ
ば、彼らの活動を伝えていきたいと思う。結論は誰かに決められるものでは
なく、自ずと伝わってくるものであるはずだ。

1 TDBもしくは「R-cycle」に参加した理由やきっかけを教えてください。

・ホームページの募集を見て参加しました。今年コンペに出品したのをきっ
 かけにイベントに興味を持ち、なにかしら関わりたいと思い参加しました。

・友だちに誘われたから

・「自転車」という言葉にピンと来て!自転車は未来を切り開くと思う。

2 現在インターンとして参加して感じている事をお書きください。

・皆さんが、わたしたちインターンをただのお手伝いとして扱うことが全く
 なく、ひとりひとりの意見、デザインに真剣に耳を傾けてくれたり、助け
 られたのが、すっごく楽しかった!

・作業の進み具合がとにかく心配だった。“やりたい部分だけ参加すれば良
 い”というカタチに少し不安を感じていた。終わってみて、今はやって良
 かったのだと思っている。

・とにかく情報が回らなかった。

・やらされてるというより、自分がやりたいからやっているという気持ちが
 強くあって、熱く燃えさせてもらってます。

3 イベントが終了して、自分の中で変わったもの、課題、今後の目標など
  お書きください。

・責任感がついた気がします。今後の目標は学校との両立!?

・学校の課題ばかりだと、クリエイトの本質的なものが見えずらくなってい
 ました。「R-cycle」に参加して気が付いたことは、クリエイトとは、自
 らが楽しむものであるということ。自分が楽しいから相手を楽しませるこ
 とができるということ。

・人の意見に耳を傾けることはホントに大切なんだと再認識しました。

・まかされた仕事がうまくいって達成感があった。仕事をする、ということ
 を具体的に真剣に考えるきっかけになったように思う。

・何よりも出会えた人たちが楽しかったです。なかなか会えない人ばかりで
 す。来年といわず会っていきたいです。

・良い思い出になった。自分の財産になった。終わった後に、このアンケー
 トを書いている今、書きたいことがたくさん出てきて、懐かしくあたたか
 な気持ちになれてることが嬉しい。また参加したいと思います。

・自分の中で変ったものは、はっきりとは分からないけれど、積極的に参加
 したことは必ず何かに繋がっているはずだし、やりきった達成感や、自信
 がついたこと。月並みな感想ですが、それが何よりだと思います。