2002.3.6発行 vol.100
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■特集企画■「きゃりあ・ぷれす」100号に寄せて
・大沢真知子さん 日本女子大学人間社会学部教授
・上條茉莉子さん コペルNPO代表
……他
・発行人の宮崎より 〜コメントありがとうございました
…………………………………………………………………………………………
いつもご愛読くださり、誠にありがとうございます。
1998年4月に創刊した「きゃりあ・ぷれす」も、おかげさまで100号
を迎えることができました。
そこで100号を記念して、これまでにご協力くださった方などを中心に
“「きゃりあ・ぷれす」100号に寄せて”というテーマで、コメントをお
願いしました。「きゃりあ・ぷれす」へ望むことや、今後取り上げてほしい
テーマなど、12人の方からの貴重なご意見をいただきましたので、ここに
掲載させていただきます。
「きゃりあ・ぷれす」では、今後ますます多くの方々と協力して活動の幅を
広げていきたいと考えています。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
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「きゃりあ・ぷれす」100号に寄せて
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◆大沢真知子さん 日本女子大学人間社会学部教授
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【2001年10月】3周年記念セミナー「女性の自分マーケティング
〜自分らしく、もっと自由に働く」講師
【2001年9月】87号「『自分らしい働き方』ライブトーク(1)」
にてインタビュー
【2001年2月】71号「“21世紀を幸せに働く”ためのシステムと
意識の変革」にてインタビュー
【2000年11月】エッセイ「あなたのキャリアが周囲に大きな恩恵を
もたらす。そんな生き方もあります」ご寄稿
……他
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「きゃりあ・ぷれす」が刊行100号を迎えるとのこと、本当におめでとう
ございます。
私の本(「新しい家族のための経済学」中公新書)を紹介していただいたこ
とがきっかけで、「きゃりあ・ぷれす」と出会うことができました。それか
らは、たまにメッセージを書かせていただいたり、オフ会では読者の皆さん
と出会うこともできました。わたしの生活も研究もこういった機会に恵まれ
たおかげでより豊かになり、また深まったとおもいます。
「きゃりあ・ぷれす」のいいところは何といっても自由なこと。教条的でな
い。わたしたちが横の関係でつながっているから、上下関係がない。自立し
た個人がそれぞれに生き方に迷って新しい生き方を模索している。メールを
通じてそういうひとたちのおこなった選択や考え方を知り、共感したり学ん
だり勇気づけられたりしてきたようにおもいます。
いま日本の社会は歴史的な大転換の時期にいるのではないかとおもいます。
最近の日経ビジネスでは「縮む時代に備えよ」というサブタイトルで特集を
組んでいました。もう成長が望めない。人口の成長すら止まりやがて人口そ
のものが減少する時代が来る。その時代をわたしたちはどう生きたらいいの
かという問いかけに答える特集でした。
縮む時代に生きているのだなと実感するのは、いろいろな研究会に出席して
働く女性を支える環境をいかに整えていくのかを議論したりするときです。
税収入が減っているからもうこれ以上税金を使って何かすることが難しい。
(その割に公共工事の数は減っていませんが・・・)残された道はいまの事
業をより効率的に進めるために規制緩和をして民間企業の参入を促したり、
年金の支給開始年齢を遅らせたり、年金の支え手をふやすために社会保険の
加入要件を低くしたり。つまり、生活者にとっては厳しい政策をとっていか
ざるをえなくなっています。
いままでわたしたちは何やかやいいながら、官僚の強い指導力のもとで、そ
れに頼って暮らしてきました。経営者しかり、わたしたちも官僚や政策を批
判しながらも、実は自分で考え自分の力で物事を解決していく努力を怠って
きたのではないかとおもいます。小さいころからリーダーに従う訓練を受け
続けてきたからです。
でもいまその官と民との関係が大きく変わっています。「官」はもう頼れな
い。それはいまわたしたちが縮む時代を生きているからです。でもわたしに
はだからこそおもしろい時代を生きることができるのだと、むしろこの時代
を待ち望む気持ちが強いのです。
「個人」が主体で生きる時代になったいま価値観もどんどん多様化していき
ます。古くなった価値感から抜けられないか、それとも新しい時代に適した
価値観に転換できるかで、「こんなはずじゃなかった」となげくか、「おも
しろい人生だな」と自分の人生に納得するか大きく分れてしまうとおもうの
です。
人間はひとりひとり孤独だけれどひとりでは生きられない。だからこそみん
なで助け合って、いい社会を作るしかない。ときには官僚や企業を監視する
団体も必要だし、これからは私生活を重視した働き方や、環境との調和をは
かる経済発展のあり方を企業が考えていかなければならない時代になりまし
た。(若者の人口が減るにしたがって、そうしなければいい人材が確保でき
ないからです)それぞれが自分の都合だけを優先して生きていける時代は終
わったのです。
最近、そういう問題意識をもって活動しているNGOやNPO組織のひとた
ちが集まる研究会に参加しています。そして、縮む時代、政府の役割が小さ
くならざるをえない時代に官と民がどのように協力して新しい時代を作り上
げるのかについて考えています。
NPOとは日本語では非営利組織のことですが、実は非営利と営利企業との
境目は非常に曖昧で、はじめは非営利ではじめた事業が軌道にのって営利企
業として独立したり、わたし個人としてはこの非営利という部分にはあまり
こだわらない方がいいのではないかとおもっています。
なぜこんな話をしたのかというと、このNPOを担っている人たちが本当に
素晴らしい人たちで、いい生き方をしているとおもうことと、そういった活
動についても「きゃりあ・ぷれす」で取り上げたらおもしろいかなとおもう
からです。へえーこんなところにビジネスチャンスがあったのかとおもう読
者もいらっしゃるのでしょうか。また、自身でもビジネスを立ち上げたいと
考えている方もいらっしゃるかもしれません。ということで、NPOの方に
たまに顔を出してもらうのもいいのではないでしょうか。
また、わたしも、ここ2〜3年、働く女性をめぐるさまざまな政策を議論す
る場に居合わせることになりました。これから機会があったら「きゃりあ・
ぷれす」に時たま顔を出して、どんな議論がおこなわれているのかを紹介で
きたらとおもいます。(報告書が出たあとになるとはおもいますが)また最
近は研究会で報告書が出た後に意見を幅広く募集することが多くなりました。
その時には皆さんにお知らせしますので是非率直な意見を聞かせてください。
日本経済も激動の時代に入りました。このおもしろい時代に、インターネッ
トの可能性にいち早く気がつき、メールマガジンを刊行した宮崎さんをはじ
めとする「きゃりあ・ぷれす」の皆さんに心からの敬意を表するとともに、
「きゃりあ・ぷれす」のさらなる飛躍を願ってやみません。
これからもよろしくおつきあいいただきますよう、お願いいたします。
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◆上條茉莉子さん コペルNPO代表
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【2001年10月】3周年記念セミナー「女性の自分マーケティング
〜自分らしく、もっと自由に働く」講師
【2001年10月】88号「自分らしい働き方」ライブトーク(2)にて
インタビュー
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「めざせ! メディアの“双方向ワンストップショップ”」
働く女性にとって、仕事に関する情報、スキルに関する情報、社会で何が起
こっているかの情報などきゃりあに関する情報は貴重そのものです。また働
く女性には、時間は何にも代えがたいものでしょう。だから「情報のワンス
トップショップ」――というのは、当然の帰結です。
要は、その情報の質――深さ、ということではないでしょうか。単なる情報
では、今、立ち上がろうとしている、一歩踏み出そうとしている女性には不
足なのです。もっと深く知りたい、ほんとのところを知りたい、生の声が聞
きたい、というのが正直、女性の本音だと思います。
たとえばいま、「きゃりあ・ぷれす」は「JOBファイル」メニューを持っ
ていて14種の「しごと」のワンポイント解説をやっています。これはとて
も意欲的な企画ですが、一歩進めて、これを読んで興味を持った人がさらに
深く知るために、実際その仕事についている人たちからの生の情報――その
仕事の難しさ、役に立つスキルや経験、その仕事の楽しさ・喜びなど――を
伝えてもらえたら、一層の興味や、転職への意欲をかき立てられるに違いな
いと思います。さらにスキルに関する詳しい情報があれば、準備にどう取り
組めばよいか計画が立てられるというものでしょう。
また社会の出来事や、関連施策のニュースを伝えてもらうことは、きわめて
大切ですが、同時にその反応を、政策決定の場にフィードバックさせられた
ら、もっとすばらしいことと思います。一人一人が考え、おかしなことには、
おかしい!変えよう!と言わねば何も変わらない。
ITやインターネットによって、いまフツーの人が世の中を変えていける時代
になったのです。情報公開の制度がそれを後押しします。しかし待っている
だけでは、何も起こらない。メディアは、人々に考え、発言するきっかけを
与え、場を提供し、声を集め、政策の場にフィードバックする役目を持って
いるのだと思いませんか? 「きゃりあ・ぷれす」が、ぜひその先端を行っ
てくれることを望んでいます。
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◆パク・ジョアン・スックチャさん
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【2002年2月】「ワーク/ライフ・バランスセミナー(モニター版)」
講師
【2000年10月】60〜61号「『働くことの意味』を考える座談会
〜フリーランス編」参加
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「きゃりあ・ぷれす」100号おめでとうございます。
「きゃりあ・ぷれす」はいろいろなテーマについて、内容を表面的に軽く触
るというのではなく、深く入り込んで書かれていて、いつもとても読みがい
があります。また、読者アンケート結果も興味深いです。編集部の方々、読
み応えのあるメルマガづくり、どうもありがとうございます。
私が勤めていた外資系企業を退職した後、「きゃりあ・ぷれす」の座談会に
出席し、「近い将来『ライフ/バランス・セミナー』を開発して開催してい
きたい」と言ったことが宮崎さんの記憶に残っていたことをきっかけに(?)
今年の2月16日、「きゃりあ・ぷれす」でそのセミナーが実現しました。
今回「きゃりあ・ぷれす」読者を対象にセミナーを行い、感じたことは、読
者がとても問題意識の高い人たちだということです。また、セミナーでは読
者同士が初めて顔を合わせ意見交換や相互学習ができ、ただ学ぶというだけ
ではなく、読者間の出会いと交流の場にもなったと感じています。
今後「きゃりあ・ぷれす」が、いろいろな種類のセミナーや講演会などを企
画して、読むだけではなく読者が参加し、また交流を深めていけるような場
になればと思います。私もできる範囲で協力していくつもりなので、是非よ
ろしくお願いします。これからもさらに磨きをかけた「きゃりあ・ぷれす」
に期待しています。
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◆川野真理子さん
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【2000年11月】64号「セミナーレポート〜スタートアップの
ための独立準備講座」執筆
【2002年3月】「きゃりあ・ぷれす」ホームページの新コンテンツ
「起業家・フリーランスデータベース」に情報提供
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100号の発行、おめでとうございます!
毎回、長文力作のメルマガを100号も出し続けられる原動力は一体どこか
らくるのでしょうか。ここまで続けられますと、ほとんど感動して、感動の
言葉も出ません(笑)。
これからも是非、力と魂の入ったメルマガの発行を期待しております。
社会の環境も変わり、女性の働き方も随分と変わりつつありますね。
昨日、私が関わっている研究会の主催で「ウーマンズナレッジ・シンポジウ
ム」を開催しました。事前に200名を越す方々からアンケートをとり、女
性がいきいきと働き続けるための知恵の共有を、冊子にしてみなさんにお配
りいたしました。その中で「将来どういう形態で働くのがベストと考えてい
ますか?」という質問に対して、42%の女性が個人事業主やフリーランス
で働きたいと回答していました。28%の人は正社員で働きたいと答え、女
性起業家やフリーランスで働く人がこれから増加していくことが予想される
結果が、はっきりと数字になって表れました。
「きゃりあ・ぷれす」さんのアンケートでも、同じように、自営の方やフリ
ーランスの方々が、元気にいきいきと働いているという結果が出ていたかと
思います。
キープラネットは「起業すること」を支援するのではなく、「起業した人」
の力になって、自分のプロとしての能力を社会に還元することで、人々に喜
こんでもらうことを、一番の幸福と考えています。同じような志をもつ人た
ちとつながり、少しでも多くの成功する起業家を増やし、起業しやすい土壌
を作っていければいいなと思い、様々な活動をしています。
今年は、そんな様々な活動の中から、「きゃりあ・ぷれす」さんと、共に手
をつなぎ、共に同じ目線と力と使命をもって、起業支援という部分で協働し
ていきましょうということになりました。
皆様には、さらにパワーアップする「きゃりあ・ぷれす」の中でご案内があ
るかと思いますが、まず最初の試みとしましては、「きゃりあ・ぷれす」さ
んのホームページ上で公開予定の新コンテンツ「起業家・フリーランスデー
タベース」に、キープラネットより情報を提供していきます。
これにより読者の皆様に役立つ「フリーランサーや起業家支援」活動を展開
していく予定です。キープラネットだけでは足りない部分も、「きゃりあ・
ぷれす」さんと共に力を揃えることで、より大きな、より活発な活動を生み
だしていけることと思います。
読者の皆様、そして編集部のみなさま、今年は本当に、よろしくお願い致し
ます。
これからも是非、是非、勇気のでる、おもしろい企画をメルマガで発信して
くださいね。期待しています!
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◆Emabuさん
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【2000年3月】46号「ネットワーク紹介〜RaboonMine」にて
インタビュー
【1998年11月】16号「会社が女性に求めるもの」執筆
……他
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私にとって「きゃりあ・ぷれす」との出会いは、人生そのものを変えたと言
っても過言でないと思います。先日、日経ウーマンに「子どもを産んでも働
き続けたい!」と言うテーマで自分のことが掲載されました。
こんなことは、「きゃりあ・ぷれす」に出会ったころには到底考えられるこ
とではありませんでした。
「きゃりあ・ぷれす」に出会ったころの私は、技術職ではありましたが契約
社員と言う名のパートのおばさんだったのです。権利と報酬は新入社員以下
でした。それが、今では別会社ですが、正社員として男性並の権利と報酬を
得るまでになりました。
何故、それが「きゃりあ・ぷれす」につながるかというと、それはメールマ
ガジンという媒体との出会いがすべての始まりだからです。自分の考えを多
くの方に、簡単に安価に発信できる夢のような媒体。それを教えてくれたの
が、「きゃりあ・ぷれす」でした。
初めて「きゃりあ・ぷれす」に投稿記事が掲載されたときの感動は忘れられ
ません。病み付きになったのです。しかし、世の中そんなに甘くはありませ
んでした。次に、企画書を作って書いた「社会が女性に求めるもの」は、書
くのが辛くて辛くて、途中で投げ出しそうになりました。そんな素人の私を
当時の編集部の方は暖かく見守り、励まし、ときには叱り、どうにか記事に
まとめることができました。
それから半年後、自分が編集部となって『いろんな働くママたち』という主
婦の再就職をテーマにしたメールマガジンの配信を始めました。
当初の内容は、パートで働く間に思った疑問や不満をまとめたものでした。
これは、思った以上に反響が大きく、同時に立ち上げたサイトへのアクセス
も多くなり、雑誌にも取り上げてもらえるようになったのです。
そして、昨年11月。今のサイトの運営で培った実績が認められ(本人はそ
う思っています。)、仕事に対する不満を書いていたメールマガジンはいつ
のまにか大切な財産になりました。
あの時、「きゃりあ・ぷれす」に出会っていなかったら、今の私はないと思
います。「きゃりあ・ぷれす」と編集部の皆様に感謝しております。
これからは、私が他の皆様のお役に立てるように努力していきたいと思って
います。これからも「きゃりあ・ぷれす」を応援していきます。
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◆アクトレスさん
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【1999年5月】26号「エッセイ わたしの描く夢のキャリア&
ライフプラン」執筆
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「きゃりあ・ぷれす」のエッセイ募集に参加してから、もう3年が過ぎよう
としています。3年間何をしたんだろうと思う反面、何と意味のある3年間
だったのかと、その間に関わった多くの人たちに感謝しています。そして、
途中、息切れしそうになり、フリーを辞めて企業への就職を考えたこともあ
りましたが、当時蒔いていた種がやっと芽を出そうとしている今、あきらめ
ずに続けてきてよかったと心から思っています。でも、やっとスタートライ
ンに立てたようなもので、今からが私の正念場と言い聞かせる日々です。
働くことで生活が成り立つ。と、あたりまえのことなのにフリーになって痛
感しました。会社から給料をもらっていた頃は「当然の報酬」のような感覚
でしかなかったのに、今は自分が営業して、自分を売って、そして仕事をし
てやっと得る報酬はずっしりと重みがあります。
会社に属していた頃は、上司に対する不満や会社の方針に対する不信感、ま
た報酬に対する不満…多々ありましたが、今はその種類のものは皆無です。
マイナスの発想が全くといってよいほど無いのです。もちろん不安が無いと
はいえませんが、日々の仕事に追われることと、1年後、2年後を考えるこ
とで、それはほとんど払拭されてしまいます。
今必要なのは、今の状況からステップアップするための方法でしょうか。
そのために、何を学べば良いのか…そんな特集などあればうれしいかな…。
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◆ぷーたろーさん
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【2000年11月】65〜67号「読者のリストラ体験エッセイ」執筆
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「not pepper, salt please.」
近年レストランの各テーブルや家庭において、食事時の胡椒と塩の存在は欠
かせない。グリーンサラダに胡椒をひとふり、肉、魚、スープにだってひと
ふりするだけで独特の香りを漂わせ、ピリリと引き締まった味が何ともいえ
ず私たちの食欲を掻き立てるのである。特にミルでガリゴリと粒胡椒を挽く
セレモニーは「いただきます」へのドラムロールみたいでワクワクしてしま
う。てなわけで、いまや私たちのテーブルに胡椒は必要不可欠。
では塩はどうか? 胡椒と違い、塩は何にかけてもいいというわけではない。
風味を加える胡椒に対して塩は料理の味自体に大きな影響力を持つ。ここぞ
という時の出番待ちなのだ。頻繁に登場する胡椒の影に隠れてつい見過ごし
がちな塩だが、この存在こそまさに「きゃりあ・ぷれす」なのだと私は思っ
ている。胡椒はいわば私たちの日常。毎日の仕事や生活に追われるなかで一
時的に気分転換させてくれる存在。一方の塩は未来への可能性。
そのひとふりが人生にどんな影響を与えてくれるのか、夢と期待を内包した
白い結晶は現実に埋没しがちな私たちの日常にいつも新鮮な空気を運んでく
れる。「きゃりあ・ぷれす」様、胡椒(日常)の隣りに並んで「お試しあれ、
今よりもっと人生がおいしくなるよ。」と見守り続けてくれる、塩のように
ココロ強い存在であってほしいと願っています。
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◆ふぁ〜ふぁさん
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【2001年10月】89号「『自分らしく働く』アンケート結果発表」
メール投稿
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1.<<現在の働く状況>>
2000年9月末 体調不良を理由に半ば解雇同様にして10年勤め
た会社を退職。
2001年5月 結婚
2001年9月末 英会話学校へ入会する。
2001年10月 「きゃりあ・ぷれす」89号「自分らしく働く」
アンケート結果発表にてメールが採用される。
学習意欲がますます高まる。
2002年2月 13年ぶりにTOEIC IPテスト受験。
現在スコア待ち。
2002年3月10日 再びTOEIC IPテスト受験予定。
目下、受験勉強中。もちろん、「無職」です。
2.<<今後どうなっていきたいか>>
将来は、AET(American English Teacher)
のアシスタントとして、自治体の海外交流会のような部署で正社員でな
くてもよいので働けるようになりたいと思い、目下勉学に勤しんでおり
ます。
当面の目標は、TOEIC600点をなるべく早い時期にクリアするこ
とです。
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◆細田咲江さん
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【2000年1月】42号「働く女性のネットワーク」メール投稿
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「若者の就職環境と『きゃりあ・ぷれす』に望むこと(抜粋)」
平成12年度「学校基本統計」(文部科学省)によると、大学生の卒業後
進路のうち、就職も進学もしない学生(いわゆる“無業者”)は、12万人
にも上った。
この“無業者”を過去何年か溯ると、平成2年度では2万人だったが、平成
7年度で7万人、平成8年度で8万人となり、これ以降ほぼ毎年8万人単位
で推移し、平成11年度には11万人と10万人台を突破している。
高等教育機関である大学を卒業し、その後の進路が決定していない若者を毎
年10万人近くも排出する国とは、いったいどんな国なのだろうか。
私はここ8年、大学生の就職アドバイスをしているが、学生の意識の変化を
少しずつ感じている。1994年「就職氷河期」といわれはじめたころには、
一部の意識の高い学生が就職活動戦線をリードし、その学生に引っ張られる
ようにその他の学生もどうにか就職しようとみな必死で就職活動をしていた。
しかし、最近では、これまで同様就職活動を必死で行なっている学生が主流
ではあるものの、一部には、「最終的にいいところがなかったら就職できな
くてもしかたない」といった、はじめから諦めに似た気持ちをもって活動し
ている学生が見受けられるようになった。
〜(中略)〜
日本の労働市場においては、新卒一括採用システムをとっている会社がまだ
まだ多い。したがって、新卒研修のみならずその後の社内での訓練も含め、
教育訓練を受ける機会は、中途採用よりも新卒採用の方が、はるかに大きい。
こうした背景の中、最も教育訓練を受けやすい新卒市場に参入する若者が減
っているということは、将来的には付加価値の高い労働力を提供できる労働
者が減ってくると考えられるのだ。若者に就業機会を提供し、マインドにお
いても経済的な意味からも自立した人間の育成を社会でバックアップしてい
かないと、本当に末恐ろしいことになるのではないかと危惧している。
このところの新聞報道等では、大手企業がリストラにより大量の人員削減を
行なうとの記事を頻繁に目にする。今春闘では賃上げというよりは雇用維持
のための「ワークシェアリング」議論が持ち出されている企業も見受けられ
る。いずれの記事でも、中高年の雇用問題が深刻視され、中心的な課題はこ
れら中高年の雇用問題をどう解決していくかということである。
中高年という同じ世代の中でのみの「ワークシェア」という狭い範囲で発想
するのではなく、若年層に、もっと言えば、これまでパートや正規労働の外
に追いやられていた労働者にもワークシェア(雇用機会創造型)し、シェア
した時間を自分のために使うという発想の転換は、中高年の自分自身の幸せ
にもつながっていくのではないだろうか。
〜(中略)〜
「きゃりあ・ぷれす」ではこれまで、多様な働き方の考え方やモデルを読者
の体験談や識者のコメントから提示してきたようだが、個人の働き方だけで
なく、家庭全体の総労働量という視点からの提案を新たに加えたらいかがだ
ろうか。一家の大黒柱も、お母さんも、息子も、娘も、みんな家族でもあり
労働提供者にもなる。お父さんが経済的に支え、お母さんが家庭を守り、子
どもは個人を尊重してやりたいことをやっている、役割が固定し誰か一人が
全てを背負う、というパターンからの脱却を模索していく時期ではないだろ
うか。
労働権は基本的人権の一つである。世代間での扶養・負担の精神は、社会保
険のみならず仕事に対しても行なわれるべきである。フリーターという補助
的仕事に終始し、仕事の楽しさを実感できないまま後戻りできない年齢にな
ってしまう若者を多く作らない。若者が仕事を通じて成長できる実感を、仕
事の楽しさを見い出せる状況を作ることも、中高年の失業対策と同様に必要
だと考える。
大人の役割は、経済的に支えるだけでなく将来自立できる若者を育てていく
ことではないだろうか。
※全文は、こちらでご覧いただけます。
→ http://www.pangea.jp/c-press/backnumber/cp-0100_01.html
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◆松田恵美子さん
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【2002年3月(予定)】102〜103号「天職をさがせ」にて
インタビュー
【2002年4月(予定)】セミナー「身体感覚講座」講師
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「きゃりあ・ぷれす」のキャリアとは、仕事の面だけでなく、人生のキャリ
ア、でもあるのかなぁと感じてきました。
この時代に生まれ、自分の人生に欲しいものを一つひとつ確認するかのよう
に過ごしてきたのは、自分が女だったからという面もあるでしょう。
仕事・結婚・3人の子ども……、すでに、たくさんのものを手にしてきたけ
れど、それでも、もっと豊かでいたいと願う……その豊かさとは一体何か、
とも思うのです。
それは、もはや、物やお金の量ではない。子どもと何気ない会話を楽しむ余
裕であったり、良い仕事を仲間と共にやり終えた後の深いつながり感であっ
たり、coffee一杯でたった一人に戻る安堵感であったり……。究極は
自分が自分の人生に満足しているのか、今、この瞬間、やるだけヤッタ!と
充足感を味わえているのか……。人生の豊かさをそういう時間に見出すよう
になってきているとも思っています。
ささやかだけど、そんなかけがえのない“豊かさ”を手に入れるには?
それは、すでに持っているものへの観方を変えることかもしれないし、すで
に持っているものを手離すことかもしれない。それでも「ワタシは良し!」
とするのか……。
「きゃりあ・ぷれす」には、そんな新しい価値観を探っている人達に勇気と
ヒントを与える意気込みがあるように思えてなりません。
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◆池田瑞樹さん
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【2002年4月(予定)】人材コンサルタントの経験を生かし、履歴書
に関するコラムを執筆
【2002年4月(予定)】ホームページ上で新コンテンツを共同制作
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この度は、創刊100号、おめでとうございます。
私が「きゃりあ・ぷれす」を知ってから、まだ若干3ヶ月程度ではあります
が、あまたあるメルマガの中でも、きちんと最後まで興味を持って読める数
少ないメルマガの一つです。
そこで、これを機に「何でかなー?」と、ちょっとこの場をお借りして考え
てみたいと思います。
まず、真っ先に思い浮かんだのは、「余計な情報がない」ということかな?
巷のメルマガって、全然興味を惹かない広告とかが多くて、どれが本文だか
解んないのがありますよね。いきなり冒頭から「○○ローン」とか書かれて
も、正直見ちゃいません。
次に浮かんだのは、やはり、作り手の一生懸命さとか、真剣さが伝わってく
るような気がするからかな? 決して凝った作りでもないし、大きな問題を
扱っているわけでもない、どちらかと言えば、地味めなサブジェクトに対し
て、智恵を出し合って、一生懸命作ってる、って感じが伝わってきますよ。
読むほうも、きちんと読むのが礼儀かな?って。
今後は、今年から始められたセミナーはもとより、よりインタラクティブな
メルマガ目指して、頑張ってください。単純にオフ会なんかも面白いかもし
れないなー、なんて考えてます。そしたら、いつか他の読者の方達とも人生
や、社会について語り合えるかもしれませんね。
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◆木村麻紀さん
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・今後「きゃりあ・ぷれす」の外部編集スタッフとして参加
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「きゃりあ・ぷれす」100号達成、おめでとうございます!
私が初めて「きゃりあ・ぷれす」を目にしたのは昨年6月。以来、働く女性
が直面する諸問題を取材してきた一人として、様々な仕事に真剣に向き合う
女性たちのホンネを垣間見ることができる貴重な媒体となっています。
私は最近、「同じ仕事には平等な賃金を支払う原則の重要性」や「一つの仕
事を分け合うことで仕事と社会生活の両立を目指すワークシェアリング」の
ほか、「環境対策や人事政策など社会的に有意義な取り組みをする企業に集
中的に投資する『社会的責任投資』という投資手法」、「地域経済の再生を
目指す地域通貨」、「小規模な起業を後押しする新しい融資システム」など
をテーマに取材をしました。
それぞれの内容についてはここで詳しく述べられませんが、一見するとバラ
バラで必ずしも女性だけに関係しないと思われるこれらのテーマはいずれも、
行き詰まりを見せるこれまでの経済や社会の枠組みを変える豊かな生き方を
切り開く“はじめの一歩”という点で共通しています。そして、これはまさ
に「きゃりあ・ぷれす」が究極的に表現しようとしている世界と重なり合う
はずです。
こうしたバラバラに見える小さな一歩をゆるやかにつなぎ合わせ、大きなう
ねりとして提示する−−。メディアとしての「きゃりあ・ぷれす」の可能性
は、この辺りにあるのではないでしょうか? 様々な“企て”を持った「き
ゃりあ・ぷれす」スタッフや読者の皆さんと一緒に楽しい仕掛けを打ってい
きたいですね。これからもどうぞよろしく!!
◆◇◆==========================◆◇◆
発行人の宮崎より 〜コメントありがとうございました
◆◇◆==========================◆◇◆
「きゃりあ・ぷれす」100号のために、心のこもった文章をお寄せくださ
った皆さま、本当にありがとうございます。
・大沢先生、読者有志が集まってオフゼミなどできないでしょうか?
・上條さん、政策の場へのフィードバックについてご相談させてください。
・パクさん、「人や社会の役に立つことがビジネスにもなる」ということを
一緒に示していければと思います。
・川野さん、ちょっと皮肉ですか? 川野さんのパワーもすごいですよ。
・Emabuさん、メールマガジンやサイトに対して企画などお待ちしています。
・アクトレスさん、今度1度お会いして情報交換しましょう。
・ぷーたろーさん、ただしょっぱいだけでなく、うまい塩をめざします。ご
協力ください。
・ふぁーふぁさん、またその後の状況をお知らせください。
・細田さん、お互い協力しあえることがありそうですね。
・松田さん、松田さんの「気」と「しなやかさ」を「きゃりあ・ぷれす」に
注入してください。
・池田さん、今のところ数少ない男性読者・執筆者として新しい視点をお願
いします。
・木村さん、従来のメディアと違うライブ感でやっていきましょう。
そして、この号をお読みくださった皆さん、「きゃりあ・ぷれす」2回目の
100号に向けて、これまで以上に皆さんと一緒に進んでいきたいと思いま
す。「きゃりあ・ぷれす」を活用する主体的なご提案をお寄せください。
一緒に実現していきたいと思います。
未熟なメディアではありますが、これからもどうぞよろしくお願い申し上げ
ます。
宮崎郁子